小児の頭痛は、感染症を除くとほとんどは片頭痛や緊張型頭痛ですが、
特に外来受診が多いのが片頭痛です。
片頭痛
・片頭痛は発作性に中等度~重度の拍動性頭痛が起きる病気で、動くと痛みが増強するのが特徴です。
頭痛の部位は前頭側頭部、持続時間は18歳未満では2~72時間で、両側性であることが多いとされます。
悪心または嘔吐(あるいはその両方)、光過敏および音過敏を伴うことがあり、その場合、発作中に
静かな暗い部屋での安静を好みます。
・突発的にめまい発作が起きる(良性発作性めまい)、人や物が大きく見えたりする(不思議の国のアリス症候群)、周期的に嘔吐が出る(周期性嘔吐症)も片頭痛と共通した疾患とされています(類縁疾患)。
・片頭痛発作が5回以上あることで片頭痛と診断されます。
発作の曜日、時間帯、頻度はまちまちです。
子どもの場合は一晩寝ると頭痛は軽減し、多くは翌日登校できます。
・片頭痛は家族集積性の強い疾患で、親のどちらかに片頭痛があれば、子どもの頭痛も片頭痛のことが
多いとされます。
・治療の第一歩は、正しい診断と、患児と家族が片頭痛を十分に理解することです。
その上でまず生活指導や誘因回避などの非薬物療法が推奨されます。
・治療薬が必要な強い片頭痛発作の第一選択薬はイブプロフェンで、次がアセトアミノフェンです。
・上記の薬が無効の場合、トリプタンはという特効薬を使う場合があります。
・薬は頭痛が始まったらできるだけ早く使用し、その後休息が必要です。
・日常生活に支障をきたす頭痛が月4回以上、あるいは回数は少ないが毎回嘔吐を伴う場合、予防薬を考慮します。
・片頭痛は薬物治療が有効であり、我慢する必要はありませんので、強い頭痛発作を
繰り返す場合は一度ご相談ください。
緊張型頭痛
・軽度~中等度の非拍動性(圧迫感または締めつけ感)の頭痛が特徴です。
一般に生活支障度が低いため外来受診はそれほど多くありません。
片頭痛を伴うことがあり、緊張型頭痛の頻度が程度が強い場合、薬物を使う場合がありますが、
片頭痛とは反対に薬に頼らない治療(非薬物治療)が基本となります。
一次性運動時頭痛
・運動中、もしくは運動後に強い拍動性頭痛が起きます。
頭痛は安静によって多くは短時間で収まりますが、運動のたびに頭痛が生じます。
小児でもそれほどまれではなく、レスリングやサッカーなどの運動で頭痛が起きる例を当院でも治療しています。
`・非ステロイド系鎮痛薬を運動前に内服することで頭痛を予防できます。
一次性運動時頭痛の多くは一定の期間で自然に消失するとされています。
二次性頭痛
・稀ですが、中枢神経疾患が原因の頭痛があり(二次性頭痛)、それを除外するため
脳外科に頭部CTまたはMRI検査を施行することがあります。
これまでに当院でモヤモヤ病という脳血管疾患、脳腫瘍が発見されたケースがあります。
・起立性調節障害:主に思春期の子に起きる自律神経を介したさまざまな症状を呈する疾患です。
立ちくらみ、朝起き不良などとともに高頻度で頭痛を伴います。
片頭痛を併せ持っている場合もあるので注意が必要です。
基本は起立性調節障害の治療を行うことで頭痛も改善します。
小児の頭痛疾患は珍しくはありません。適切な診断と治療で症状はコントロ ールが可能ですので、
気軽にご相談ください。